いつも、てがみ座を応援していただき、本当にありがとうございます。
てがみ座主宰 長田育恵です。
本日は大切なお知らせをさせていただきます。
てがみ座 2月公演『燦々』で速報として告知いたしました、
今年の8月に予定しておりました、第17回公演『空のハモニカ』を、
コロナ禍の諸事情を鑑み、中止とさせていただくことを決定いたしました。
本作品は、渡辺えりさん主催『女々しき力プロジェクト』(八月・九月実施予定)参加公演でしたが、
このプロジェクト自体が本年は完全な形では開催できないと、無期延期となりました。
(渡辺えりさんからのお知らせはこちらです。)
てがみ座としては、『空のハモニカ』という作品は継続して上演していきたい大切な演目で
本年は、宮崎県のこふく劇場から永山智行さんを演出にお招きし、
素晴らしいキャスト・スタッフの皆さまと共に上演する座組を既に整えておりました。
中止の決断に至るまで、演出家と共に、たとえば舞台美術を削って素舞台で「ワークインプログレス公演」と位置付けての上演・配信等も考えたのですが、
それは、てがみ座として、本来観客の皆様にお届けしたい作品ではないと思い至り、
いつか状況が整った時に、思い描いた舞台を上演する力を残しておくためにも
今は中止という選択をいたしました。
本公演の上演を楽しみにしてくださっていた皆さま、ご関係の皆さま、
本当に申し訳ありません。
ここから先は、私個人の私信です。
こうした日々の中で、心の中にはすごくシンプルな思いが湧き上がってきました。
いつかまた劇場で完全な形、満員のお客様を迎えて上演できるようになった時には、
力を尽くして、ほんとうに面白い、心に響く舞台を創りたい。
劇場で、お客さまと共に、心が震える時間を共有したい。
てがみ座は、ひとが持つ明るい方向へ向かう心の力を物語で照らし出す、そういう創作を続けたい。
現在は、演劇界として多様性のある上演形態を
積極的に模索していかねばならない時期にあるということは承知しています。
ですが、てがみ座が上演してきた、物語を基盤とした作品を思う存分描き出すには、
お客さまに心の肉眼で光景を見つめていただくため「空間」がひとつの重要な要素でした。
逆に、多様性のある上演形態に対応するためには、
その上演形態こそが作品にとって一番力を発揮できるような新作を書き下ろしたく、
そのための準備の時間をいただかなくてはなりません。
(この上演形態に向けて書いてみたい題材はあります)
現在、てがみ座は、予定していた八月の公演以降、次の劇場を押さえられておりません。
東京でコロナ禍での諸公演の移動を考えますと
次に劇場の予約が取れるのは、本年度・来年度中は、おそらく難しい状況かもしれません。
この先、どういう形で、いつ頃、皆様に作品をお届けできるか、予定をお伝え出来ないことが
正直とても苦しいです。
今はただ、約束だけさせてください。
いつかまたてがみ座の作品を皆さまにお届けできるよう、創作を続けていきます。
その時にはどうかまた、私たちの作品をご覧いただけましたら、本当に嬉しいです。
今後とも、てがみ座をどうぞよろしくお願いいたします。
てがみ座 主宰 長田育恵
2020年06月13日
●てがみ座 第17回公演『空のハモニカ』上演中止のお知らせ
posted by てがみ座 at 13:45| てがみ座 NEWS